世界の植物油事情
タイからの便り
― パーム油生産の拡大とバイオディーゼル実用化へ邁進 ―


拡大が続くパームの生産

 パーム油は、パーム椰子の果肉部分からとれる油で、パーム油というと1千万トン前後を生産するマレーシア、インドネシアが余りにも有名ですが、その次は?となると意外に知られていないものです。Oil World誌によれば、この2カ国には遠く及ばないものの、第3位はナイジェリア、そして第4位がタイなのです。タイでは、パーム油は食用、石鹸原料、食品加工の原料として幅広く利用されています。パーム椰子は西アフリカ原産のヤシ科常緑高木であり、樹高は20メートルにも達します。果実は鶏卵大の小果が200個ほど集まって房を作り、1房の重量は45kgほどになり、1株に約10房が実ります。
 タイではパーム椰子は南部を中心に栽培され、作付面積、生産量ともに年々増加する傾向にあります。2003年産は、作付面積26万9千ヘクタール、パームの生産量は445万トンに達すると見込まれています。
表1 タイにおけるパーム椰子生産動向

年 度* 作付面積(ヘクタール)
収穫量(千トン)
 1999年
 2000年
 2001年
 2002年
 2003年**
199,000
208,000
233,000
263,000
269,000
3,514
3,256
4,089
4,001
4,452
資料:タイ国 農業協同組合省 農業経済局
注) *:年度期間は1月~12月、**:2003年の数値は見込み

PREVMENUNEXT