5.リスクの分散が重要な課題に

 リスクの分散という点ではまだ十分とはいえないことがあります。2002年にカナダとオーストラリアが同時に旱魃に襲われ、菜種が大減産となりましたが、これに加えてカナダのバンクーバー港においてエレベーターのロックアウトが行われたため、私たちは菜種確保のために奔走しなければならない状態に追い込まれました。幸いにも、生産国の協力が得られ、供給不安を起こすことなく乗り切ることができましたが、一時期、現場は大混乱となりました。

 これは菜種については、カナダへの依存度が80%超と高いことも一つの原因になっています。オーストラリアからの輸入を増やすなど、できるだけリスクの分散をはかる努力は行っておりますが、どうしてもコスト競争力や品質の安定性に優れた国に依存しがちになります。原料ソースを多様化し、リスクの分散を図るのは私たちの長年の課題でありますが、数量・品質・価格ともに安定して供給できる国は限定されざるを得ないのが悩みの種になっています。
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