◆花を天ぷらで味わう |
■花の天ぷら
季節を味わうということでいったら、舌とともに目でも楽しめる「花の料理」にかなうものはないかもしれません。食用菊は有名ですが、そのほかにも「え?こんな花も食べられるの?」と思うものもたくさんあります。
例えば、雪の残る早春に鮮やかな赤い花を咲かせる椿。花を摘んで、がくやめしべを抜き取ったものに衣をつけて揚げると、なんとも風流な天ぷらができあがります。また、野に咲く可憐なクローバーの花は、茎を少し残して摘み取り、少々の葉と一緒にかき揚げにすると、目先の変わった一品となります。また、たんぽぽの天ぷらも乙な味です。
花の料理は天ぷらに限りませんが、色や形を残しつつ加熱できる料理法という点で、揚げ物はおすすめです。 |
■花を食べるということ
花の栄養成分といってもピンとこないかもしれませんが、バラは食物繊維が豊富、ほうせんかはビタミンCたっぷり、カーネーションは糖質に富むなど、栄養的なメリットもあります。とはいえ、栄養のためにもりもり食べるというよりは、やはり食卓のアクセントとして彩りを添えるというのが花の料理にふさわしい役どころ。ちょっとした驚き、思いがけない味わいに話がはずめば、舌に目に、何より心にもおいしい食事になることでしょう。それこそ「花を食べる」目的といえるのではないでしょうか。 |
■食べられる花あれこれ
食べられる花は意外なほどたくさんありますが、有毒なものもありますから、むやみに食べるのは禁物。春に咲く花で食べられるものをいくつかあげておきますので参考になさってください。
<食べられる春の花>
椿/クローバー/タンポポ/デージー/マリーゴールド/セージ/モクレン/コブシ/ミカン/レモン/やぐるまぎく/カミツレ/ギボウシ |
≪参考文献≫
「海の幸・山の幸大百科 ・野菜・山菜・きのこ」(ぎょうせい) 「花の味わい」(朝日新聞社編)
「山渓フィールドブックス5 山菜」木原浩著(山と渓谷社) 「花料理はエレガントなぜいたく」橋本郁三著(農文協)
「やさい・くだものの本」(講談社) |
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