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Q14:植物油と動物油脂の違いは?
言葉のとおり、植物油は植物体に含まれる油脂を意味しますが、特に油脂分の含有率が高い大豆、なたね、ごまなどから圧搾・抽出して製造した純粋の油脂を植物油と称するのが一般的です。また動物油脂は鳥獣肉あるいは魚介類に含まれる油脂のことで、肉・魚を食べることで摂取されることが多いのですが、バター、ラードなど油脂分だけを分離して製造した油脂があります。植物油には、やし系の油のように飽和脂肪酸を多く含むものもありますが、ほとんどは必須脂肪酸とされるリノール酸・リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸やオレイン酸を多く含み、体内のコレステロール抑制などの機能があります。またコレステロールの吸収を抑える植物ステロールや抗酸化の働きをするトコフェロール(ビタミンE)など生命活動の維持に重要な役割を果たす成分が含まれています。動物油脂のうち鳥獣の油脂には飽和脂肪酸とコレステロールが多く含まれています。したがって体内におけるコレステロール蓄積には植物油とは逆の働きをします。魚油にはリノレン酸、DHA、EPAなどの多価不飽和脂肪酸を含んでいますが、酸化に対する安定性が悪いため、抗酸化剤の摂取が必要になります。
なお植物油、動物油脂ともエネルギー効率には差がありません(1g当たり約9キロカロリー)。
植物油脂、動物油脂のいずれも人体の健康維持にとって不可欠の栄養素ですが、過剰摂取の場合には支障を生じることがあります。このため「日本人の食事摂取基準」(2010年版)では、1~29歳の脂肪エネルギー比率は30%Eを、30歳以上のそれは25%Eをそれぞれ目標量(上限)として定めております。
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