一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

田島シェフの「おもてなしスイーツ日和」 バックナンバーはこちら
一流シェフから、素敵なレシピをご提案いたします
ベジタブル・オイル

甘味処「ベジタブル・オイル」を開店いたしました。
皆様がおなじみのスイーツも、植物油でちょっと一工夫するだけで、
ワンランク上の“おもてなしスイーツ”に美味しく変身を遂げます。
当店はそんな新感覚スイーツで皆様をおもてなしいたします。
おもてなしするパティッシェは田島加寿夫さん。
「技あり!ヘルシーフレンチ講座」以来久々に登場していただきました。
たとえばソースに植物油を少し加えるだけで、いつものスイーツが全く新しい上品な味わいに変身し、
洗練された甘さと滑らかな食感が広がっていきます。
そんな当店自慢のスイーツ「ベジタブル・オイル」を是非お召し上がり下さい。

【第6回】伝統的なフランス菓子を、植物油で香り高く
田島シェフ・インタビュー
田島シェフ
「田島亭」オーナーシェフ 田島 加寿央(たじま・かずお)
今回はスイートポテトのタルトに挑戦ですね?
通常タルトと言えば、フルーツをふんだんに用いたものを想像される方も多いかも知れませんが、少し重い感覚がある方もいらっしゃるのではないかと思います。そこで今回はレモン風味のアングレーズソース(※前回もご紹介した、カスタードクリームをさらに柔らかくしたデザート用ソース)とミントオイルの2種類のソースを組み合わせることで、スイートポテトを春らしく爽やかに食せるように工夫してみました。少ない糖分でほんのりと甘さを感じられる、上品な一品に仕上がっていると思います。
スイートポテト自体にも爽やかに食すための工夫があるようですね?
一般的なスイートポテトの作り方にこだわらず、オレンジの汁や皮、そしてレモン汁という柑橘系の素材をレシピに加えることで、さつま芋の甘味だけが際立つことの無いように、飽きることなく食せるように工夫しています。スイートポテトそのものに柑橘系を入れて焼き上げることにより、ソースと同様に糖分を少なめに抑えても甘味を十分に感じることができるという利点をもたらしてくれます。
二品目の「フリアンティーヌ」とは、どのようなものでしょうか?
「フリアンティーヌ」とはフランスの古くからの焼き菓子で、サクッとした薄いチョコ風味のおせんべいのようなものです。これに今回はバナナとヘーゼルナッツオイルを使った芳醇なソースを組み合わせてみました。「フリアンティーヌ」は薄味、バナナソースは濃厚な味わいで、対照の妙により飽きることなく食がすすみます。ヘーゼルナッツオイルが、バナナ特有の臭みを和らげながらコクのあるソースに仕上げる役割を担っています。誕生日や記念日のお祝いなど、特別な日のおもてなしに作っていただきたいですね。
田島シェフ・プロフィール
ベジタブル・オイル

「田島亭」オーナーシェフ
田島 加寿央(たじまかずお)

<プロフィール>
1966年千葉県松戸市生まれ。
調理師専門学校卒業後、赤坂プリンスホテルのメインダイニング「ル・トリアノン」にて
5年の修行ののち渡欧し、スイス、フランスの本場フレンチを学び帰国。
東京・青山にある会員制ホテル「ウラク青山」のメインレストラン「ジョアン」の料理長などを経て、
現在は新松戸「田島亭」のオーナーシェフとして腕を振るっている。
最近は、松戸市が主催している食育をテーマとした料理教室など、
地域に根ざしたイベントへ参画する機会が増加している。

田島シェフがオーナーシェフの「田島亭」のご案内
スイートポテトのタルト アングレーズソース&ミントソース仕立て
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<タルト生地>

  • 無塩バター・・・250g
  • グラニュー糖・・・200g
  • 全卵・・・120g
  • 薄力粉・・・500g
  • 塩・・・少々

<スイートポテトのオレンジ風味>

  • 全卵・・・65g
  • 卵黄・・・30g
  • グラニュー糖・・・60g
  • オレンジ汁・・・30cc
  • ヴァニラビーンズ・・・1/4本
  • オレンジ皮・・・1/4個分(※すりおろしておく)
  • レモン汁・・・10cc
  • さつま芋・・・240g(※焼き芋を作っておく)
  • 無塩バター・・・50g
  • 卵黄・・・1個分(※水溶き用)
  • 水・・・10cc

<レモンタイムのアングレーズソースとミントオイル>

  • 卵黄・・・6個分
  • グラニュー糖・・・125g
  • 牛乳・・・75cc
  • 生クリーム・・・125cc
  • タイム・・・15g
  • レモン汁・・・10cc
  • ミント・・・30枚
  • ピュアオリーブオイル・・・30cc
作り方
スイートポテトのタルト アングレーズソース&ミントソース仕立て スイートポテトのタルト アングレーズソース&ミントソース仕立て スイートポテトのタルト アングレーズソース&ミントソース仕立て スイートポテトのタルト アングレーズソース&ミントソース仕立て

<タルト生地>

  • 常温にして柔らかくしたバターとグラニュー糖を合わせ、溶けるまでホイップしてから、ときほぐした卵を加える。
  • 塩を加え、ふるいにかけた小麦粉を良く混ぜ合わせ、ひとつにまとめて一晩冷蔵庫で休ませる。
  • 厚さ7mm位に伸ばし、タルト型に入れ形をととのえ、160℃を目安にオーブンで焼き上げる。

<スイートポテトのオレンジ風味>

  • 全卵・卵黄・グラニュー糖を混ぜ合わせ、そこへオレンジ汁を加える。
  • ヴァニラ・オレンジの皮・レモン汁を合わせ、そこにさつま芋を加え[1]と合わせ、仕上げにバターを合わせる。

※仕上げ
タルト生地にスイートポテトの生地をのばし、水溶き卵黄を塗り、約180℃のオーブンで20~25分焼き、さらに水溶き卵黄を塗りこみ5~10分程焼いて焦げ目をつけて出来上がり。

<レモンタイムのアングレーズソース>

  • 牛乳・生クリーム・タイムを鍋に入れ、一度沸騰させてから蓋をして香りを付けておく。
  • 卵黄・グラニュー糖を合わせ、充分にホイップし、[1]を混ぜゆっくり加熱し80℃になったら裏ごしをして冷ます。荒熱が取れたらレモン汁加える。

※最後に、ミントをみじん切りにしてオリーブオイルを注ぎ入れミントソースを作り、アングレーズソースとともに2種類のソースでタルトを楽しむ。

スイートポテトのタルト アングレーズソース&ミントソース仕立て
田島シェフのひとこと

今回のミントオイルは、タルトなどパイ系のお菓子にも良く合いますが、イチゴや焼リンゴなどのフルーツにそのままかけて食べると、いつものフルーツが一段と美味しく変化しますので、ぜひお試しいただきたいですね。

スイートポテトのタルト アングレーズソース&ミントソース仕立て
アプリコット入り蒸しパン 冷製サヴァイヨンソース添え
カカオのフリアンティーヌ バナナクリーム仕立て
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<フリアンティーヌ>

  • 薄力粉・・・40g
  • カカオパウダー・・・10g
  • グラニュー糖・・・75g
  • 卵白・・・2個分
  • 無塩バター・・・50g
  • ヴァニラビーンズ・・・適宜
  • ナッツ各種(クルミ・アーモンド・ピーナッツ等)・・・100g
  • 塩・・・適宜
  • 黒胡椒・・・適宜
  • 無塩バター・・・40g

<バナナソース>

  • バナナ・・・2ピース
  • グラニュー糖・・・100g
  • ラム酒・・・30cc
  • 生クリーム・・・・150cc
  • ヘーゼルナッツオイル・・・30cc
作り方
カカオのフリアンティーヌ バナナクリーム仕立て カカオのフリアンティーヌ バナナクリーム仕立て カカオのフリアンティーヌ バナナクリーム仕立て

<フリアンティーヌ>

  • バターにグラニュー糖を加えて良く混ぜ合わせてから、そこへ薄力粉・カカオパウダーを加えて混ぜ合わせる。最後に卵白を加え、ヴァニラを入れ良く混ぜ合わせる。
  • 天板にクッキングシートをひき、[1]を指先で円を描くように薄くのばし、直径10cm位の円形にし、180℃のオーブンで焼き、冷めたらクッキングシートから外す。
  • ナッツをフライパン入れ乾かすように煎り、下味の塩・黒胡椒をふり、バターで絡める。

<バナナソース>

  • フライパンを熱し、1cmの厚みにカットしたバナナを入れ、焼き色がついたらグラニュー糖を加え、カラメル状にしておく。
  • 生クリーム・ラム酒を加え、ミキサーにかけ、冷めた頃にヘーゼルナッツオイルを注ぎ入れる。

※最後に、フリアンティーヌにバナナソースをかけてからナッツ類を飾って出来上がり。

カカオのフリアンティーヌ バナナクリーム仕立て
田島シェフのひとこと

バナナはその特性として、初めにフライパンで焦がすと表面の皮が香ばしく変化して甘味が増していきます。そこへグラニュー糖を入れて加熱するとキャラメル状になって、余分な水分が飛んで美味しくなります。ソースとして組み合わせる植物油は、高価ではありますが、バナナの個性に負けないナッツ系のものを選んで欲しいですね。

カカオのフリアンティーヌ バナナクリーム仕立て
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