一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

植物油が綴るごちそう歳時記

植物油はその料理の美味しさの鍵を握っており、ヒトにとって必要な栄養素を効率良く補うことができる、香りを生かすことのできる調味料。適量を健康的に摂取することは、現代人の大きなテーマのひとつです。しかも、“植物油一杯”で味に深みが生まれていきます。そこで、植物油“大さじ一杯”でつくる、美味しくヘルシーな晩ごはんをご提案しましょう。医学博士であり管理栄養士の本多京子先生に献立をご考案いただくことにより、単なるレシピ提案にとどまることなく、医学的・栄養学的な視点も盛り込んでいきます。主菜は植物油を活かした料理とし、その他の付け合わせや副菜などのメニューもご提案。調理は簡単で栄養たっぷりの献立を、旬の素材を意識しながら、春夏秋冬の4回シリーズ(※季節ごとに2献立)でお届けします。
長寿社会を迎え、日本人の平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳(※平成25年度に公表された厚生労働省データ)と過去最高になり、ますます健康寿命が大切な時代になりました。植物油は長く元気に生きていくために欠かすことのできない栄養素。このレシピを実践して皆さんが健康寿命を高め、毎日を健やかにお過ごしていただけると嬉しい限りです。

※前回から「植物油が綴るごちそう歳時記」は、とくに高齢者の方々に向けたメニューやコメントを心がけて展開しています。

植物油が綴るごちそう歳時記

医学博士・管理栄養士

実践女子大学家政学部食物学科卒業後、早稲田大学教育学部体育生理学教室研究員を経て、東京医科大学で医学博士号を取得。

2007年4月に策定された国民運動「新健康フロンティア戦略」の健康大使。日本体育大学女子短期大学部専攻科では『子供の食と栄養』を担当。NPO日本食育協会並びに日本食育学会理事。プロ野球のほか、ラグビー、スキー、相撲などスポーツ選手に対する栄養指導の経験を有する。テレビや雑誌などで、健康と栄養に関するアドバイスやレシピを多数制作。

『別冊NHKきょうの料理 シニアの楽々元気レシピ』(NHK出版)など、著書は60冊を超え、近著に『お腹すっきり腸健康法』(集英社)『柑橘レシピ』(日東書院)がある。

第六回:カルシウムやたんぱく質など、必要な栄養素を積極的に摂取して、長寿社会をイキイキと過ごしていきましょう! 秋の献立「1」・・・お魚が主菜の三品 合計643cal(※1人分のカロリー摂取量の目安)

シニア世代の方が寒い季節を元気に過ごすには、“コタツいらずの栄養素”とも呼ばれるたんぱく質や、免疫力アップに欠かせないビタミン類をしっかりと摂取することが大切です。風邪やインフルエンザ、そして肺炎などを予防して、活動的な毎日を過ごしながら健康寿命を延ばしていきましょう。塩分やコレステロールを含まず血糖上昇が穏やかな「ご飯」を主食にして、そこへ主菜と副菜を組み合わせることで、栄養バランスが自然に整いやすくなります。

冬の献立「1」・・・お魚が主菜の三品 合計622kcal(※1人分のカロリー摂取量の目安)
材料(2人分)
  • 生鮭・・・2切れ(※正味160g)
  • もやし・・・1/2袋(※正味140g)
  • 長ネギ(※せん切り)・・・1/2本分(※正味30g)
  • 赤ピーマン・・・1/4個(※正味30g)
  • 生姜(※せん切り)・・・小1片分
<A>
  • 酒 ・・・大さじ2
  • 塩・・・少々
  • ごま油・・・大さじ2
  • 三つ葉・・・2~4本
  • ポン酢醤油・・・大さじ1
作り方
  • もやしはヒゲ根をとり、赤ピーマンは細切りにし、それぞれ2等分にして 耐熱容器に入れる。
  • 「1」に生鮭を1切れずつのせ、長ネギと生姜をちらし「A」を等分に振りかけ、ラップをふんわりとかぶせ電子レンジ(※600W)に2分かける。
  • そのまま4~5分蒸らしてからラップをはずし、熱したごま油を等分に回しかけ、食べやすく切った三つ葉をのせ、ポン酢醤油をかけて出来上がり。
材料(2人分)
  • 小松菜・・・ 1/2把(※正味150g)
<A>
  • 挽き割り納豆 ・・・1パック(※正味50g)
  • 納豆のタレ ・・・※添付のもの1袋
  • 練り辛子・・・※添付のもの1袋
  • 刻み海苔・・・ 少々
  • 白ごま(※炒り)・・・ 少々
作り方
  • 小松菜は塩少々を加えた熱湯で茹でて冷水にとり、水気を絞って2cm長さに切る。
  • ボールに「A」を合わせて「1」を和えて器に盛り、刻み海苔と白ごまを散らして出来上がり。
材料(2人分が目安)
  • キウイ・・・1個(※正味80g)
  • リンゴ・・・1/4個(※正味50g)
  • レモン汁・・・少々
  • ミカン・・・1個(※正味60g)
<A>
  • 大根おろし・・・1/2カップ(100g)
  • 酢・・・大さじ1
  • 砂糖・・・小さじ2
  • 塩・・・小さじ1/4
作り方
  • キウイは皮をむいて5~6ミリ厚さのいちょう切り、リンゴは皮付きのまま同じように切ってレモン汁を振りかけておく。
  • ミカンは皮をむいて小房に分け、薄皮もむいておく。
  • ボールに「A」を合わせ、「1」&「2」をさっと和えて器に盛れば出来上がり。

※「菜果なます」とは、野菜と果物を合わせた彩り豊かな酢の物のこと。「菜」はキュウリや大根、もやしなど。「果」は季節に合わせて、リンゴや柿などを使います。果物の甘酸っぱさが箸休めにピッタリ。果物の甘味を活かして砂糖の量を控えることができます。

秋の献立「2」・・・お肉が主菜の三品 合計625kcal(※1人分のカロリー摂取量の目安)

身体が冷えていると、免疫細胞も元気に働くことができません。食事で芯から身体を温めるには、様々な鍋物や、とろみがついたシチューなどがおすすめ。合わせる副菜も生野菜のサラダにするのではなく、加熱料理したものを摂取するようにしましょう。

秋の献立「2」・・・お肉が主菜の三品 合計625kcal(※1人分のカロリー摂取量の目安)
材料(2人分が目安)
  • 鶏もも肉(※皮なし) ・・・100g
  • 白菜・・・150g
  • 人参・・・小1/3本(※正味40g)
  • シメジ・・・1パック(※正味100g)
  • 植物油・・・大さじ1(※サラダ油など)
<A>
  • 固形スープの素・・・1個
  • ローリエ・・・1枚
  • 水 ・・・1カップ(※200ml)
  • 牛乳・・・1カップ
  • クリームチーズ・・・20g
<B>
  • 片栗粉・・・小さじ2
  • 水 ・・・大さじ1
  • 万能ネギ(※小口切り) ・・・1本分
作り方
  • 鶏肉は2cm角に切り、にんじんは短冊切り、シメジは根元を切り落として小房に分けておく。白菜の葉は3㎝大のざく切り、芯の部分は薄切りにする。
  • 鍋に植物油を熱して鶏肉を入れて炒め、人参、シメジの順に炒め合わせる。
  • 「2」に「A」と白菜を加えてフタをし、弱火で10~15分煮て、柔らかくなったら牛乳とクリームチーズを加えて煮溶かし、「B」を回し入れてとろみをつけておく。
  • 「3」を器に盛り、万能ネギを散らして出来上がり。
材料(2人分)
  • ブロッコリー・・・1/4個(※正味50g)
  • さつまいも・・・中1/2本(※正味100g)
  • かぶ・・・1個(※正味70g)
  • ミニトマト・・・4個
<A>
  • オリーブオイル・・・小さじ2
  • 麺つゆ(※3杯濃縮タイプ)・・・小さじ2
作り方
  • ブロッコリーは株元を切り落として小房に分け、7~8ミリ厚さに切る。
  • さつまいもは皮付きのまま1cmの厚さに切り、かぶは皮をむいて4~6つ割りにする。
  • 「1」&「2」を耐熱皿に並べて、水をふりラップをかけて電子レンジ(※600W)に3分強かけてそのまま冷まし、あら熱がとれたらラップをはずす。
  • 「3」の野菜とミニトマトを皿に盛り、「A」をかけて出来上がり。
材料(2人分が目安)
  • 芽ひじき(※乾燥タイプ)・・・10g
  • エノキ茸・・・1袋(※正味80g)
  • 桜エビ・・・5g
  • 三つ葉 ・・・2本
<A>
  • 酒・・・小さじ2
  • 塩・・・ 少々
<B>
  • 酢・・・大さじ1&1/2
  • 砂糖・・・小さじ2
  • 塩・・・小さじ1/4
  • ごま油・・・小さじ1
作り方
  • 芽ひじきは水に20分つけて戻し、お湯でやわらかく茹でてザルに上げて水気を切っておく。
  • エノキ茸は根元を切り落として長さを半分に切り、耐熱皿に入れて「A」をふり、ラップをかけて電子レンジ(※600W)に1分かけ、そのまま冷ましてあら熱がとれたらラップをはずし、水気を切っておく。
  • ボールに「B」を合わせ、「1」&「2」と桜エビ、さらに2cm長さに切った三つ葉を和える。
  • 器に盛り、生姜のせん切りを天盛りにして出来上がり。
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