一般社団法人 日本植物油協会 社団法人日本植物油協会は、日本で植物油を生産している企業で構成している非営利の業界団体です。

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植物油と栄養

2.植物油に含まれる脂肪酸

(4) 植物油に含まれる微量成分

 植物油には、脂肪酸のほか人体を健康的に維持していくために有効な微量成分を含んでいます。それらを表8に示しました。それらは、ほとんどの植物油に豊富に含むものがある一方、特定の油種に特有に含むものもあります。

ア. 植物ステロール
 ほとんどの植物油に豊富に含まれますが、こめ油、菜種油、とうもろこし油などに特に多く含まれます。植物ステロールは、小腸でコレステロールの吸収を抑制する作用があり、血中コレステロールを低下させる効果があります。

イ. トコフェロール(ビタミンE)
 トコフェロールはビタミンEとして知られ、日本人が摂取するビタミンEの30%程度が植物油から摂取されているとされています。トコフェロールには4種の異性体があり、特にα-トコフェロールは生体内で高い抗酸化作用を有し、老化防止などの効果があります。γ-、δ-トコフェロールは生体外での抗酸化能が高く、植物油が酸化防止剤を添加していないのは、これらのトコフェロールの作用があることによります。

ウ. トコトリエノール
 トコフェロールの同族体で、こめ油とパーム油に特有の物質で、トコフェロールと同様に抗酸化作用を有します。

エ. リグナン類
 リグナン類はほとんどの植物油に微量に含まれますが、ごま油には特徴的なリグナン類が高濃度に含まれます。抗酸化機能があり、その一つであるセサミンは肝臓でのアルコール分解作用があることからサプリメントとしても利用されています。

オ. オリザノール
 こめ油に特有の物質で、ビタミンEと同様の効果があります。また、γ-オリザノールには抗うつ作用があり、医薬品として用いられています。

カ. ポリフェノール
 オリーブ油に微量に含みます。抗酸化機能などが期待されますが、明確な効果を確認できる量を含むものではなく、この効果だけを過大に期待して多くのオリーブ油を摂取すると、カロリー過多などの問題を引き起こす懸念があります。

キ. β-カロテン
 未精製の植物油に含まれる抗酸化成分ですが、精製工程で除去されるため普通の製品には含まれません。パーム油については、特別の精製を行い製品中にβ-カロテンを残存させた商品もあります。

表8 植物油に含まれる微量成分とその効果
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 植物油は、それ自体がビタミンEの供給源ですが、脂溶性ビタミン(ビタミンA、E、D、K)を体内に吸収するため不可欠の食品です。人参、ピーマンなど緑黄色野菜に多く含まれるカロテン(体内代謝でビタミンAに転化)は、植物油とともに食べることで体内に吸収されることが分かっています。植物油で調理することは、おいしさを増すだけではなく、栄養的にも理にかなったことなのです。

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