菜種生産の限界に挑むカナダ

1.日加菜種予備協議について

カナダは、世界最大の菜種生産国であり、初夏にカナダを訪れれば、地平線の彼方まで一面に広がる「菜の花畑」に感動すること請け合いです。現在、日本人が最も多く消費している植物油は菜種油であり、そのほとんどはカナダから輸入されています。世界に向かって輸出を拡大しようとしているカナダが菜種生産の限界に挑む遠大な生産拡大計画(2025年を目標とする10カ年計画である“Keep it coming”=「前進する努力を続ける」)を策定したことは、すでにINFORMATION 89号の「菜種生産の限界に挑むカナダ」で詳しく紹介したところです。そのカナダで、去る7月15日、16日の両日、38回目となる日加菜種予備協議が開催されました。会議は、世界的にも文化都市として名高く、北米のパリとさえ称されるモントリオールで開催されました。
現在、世界の植物油は、南米にまで生産範囲が広がり供給国の多様化が図られた大豆貿易が中心となっていますが、日本は、大豆貿易の1割程度の貿易量に止まる菜種にシフトし、その大宗をカナダに頼っています。こうした事情もあり、毎年2回、日本とカナダで会議が開催され、関係事案につき、綿密な情報交換が行われています。この会議は、日本、カナダ両国の菜種(キャノーラ)関係者が一堂に会して、情報交換や意見交換を行う貴重な場であり、両国に取りましても非常に意義ある貴重な会議となっています。
会議は、日本とカナダ両政府の間で政府間協議として合意がなされた1976年から継続して実施されていますが、開催当時、日本へのカナダからの菜種輸入が63万トンであったことから見れば、昨年のカナダからの輸入量は200万トンを超え、実に4倍近い輸入量となっています。
政府間協議の始まった頃は、カナダで生産された菜種のほとんどは、日本に輸出されていましたが、今やカナダにおける菜種生産は大きく拡大し、カナダの生産動向が世界の貿易を規定する状況にあり、その動向は、世界の注目を集める状況となっています。
食料の安定供給は、世界各国の重要な課題となっていますが、とりわけ国土面積が限られ食生活に不可欠な油脂原料のほとんどを海外に依存せざる得ない日本にとっては、1億3千万の国民の命と暮らしを守る上で良質な油糧種子を安定的に確保することは極めて重要な課題です。その意味でも、日本の油糧種子中最大のシェアを持つカナダからの菜種の安定的調達は、極めて重要な課題となっているところです。

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