植物油を使用する主婦の意識に変化? −引き続き価格と健康がキーワード−

4.高まるトランス脂肪酸への理解

 この調査では、継続的にお伺いしている質問事項のほか、最近の話題について、主婦の皆様がどのような関心をお持ちであるかをお伺いしています。平成17年からは、「トランス(型)脂肪酸」についてお伺いしてきました。今回の調査を通じて、主婦の皆様がトランス脂肪酸に対する理解を高めておられることが分かりました。

(1) 70%を超える方が関心

 平成17年に初めてこの質問事項を設けたとき、80%近い方が「トランス脂肪酸という単語を聞いたことがない」とお答えになりましたが、平成25年には27%にまで低下しました。この間に、トランス脂肪酸という単語を、政府広報、メディア、インターネットなどで見る機会が多くなりましたが、主婦の皆様も、このような情報の増加によりトランス脂肪酸への関心を高めてこられたのではないでしょうか。しかし、トランス脂肪酸が「どういうものであるか、ある程度知っている」(設問項目がないのですが、この中には「よく知っている」方も含まれると考えられます。)と答えた方の割合は14%に過ぎませんでした(図8)。

 トランス脂肪酸は、過剰摂取を長期にわたって継続すると、コレステロールを上昇させ、心疾患の原因になるとされていますが、メディアから適切な情報が提供されていないのが実態です。
「聞いたことはあるが、あまり詳しくは知らない」というお答えが最も多くなっているのは、主婦の皆様が関心を抱きながらも、適切な情報の発信がないことに不安を抱いておられることの表れのように見受けます。

【 図8 トランス型脂肪酸の認知度 】

図8 トランス型脂肪酸の認知度

(2)もっと知りたい政府広報

 私どもがこの設問を始めた平成17年は、食品安全委員会がトランス脂肪酸について体系的な情報提供を始められた時期です。食品安全委員会のホームページには、トランス脂肪酸に関する基礎情報から、摂取実態の内外比較、日常の食生活において気を付けるべき事項などが詳細に説明されています。このような広報が行われていることを「まったく知らなかった」方の割合が、平成17年調査では27.4%でしたが、今回は43.8%と高くなりました(図9)。
 政府からこのような情報が発せられる直後は、メディアもそのことを報道し、読者・視聴者の関心を喚起しますが、時間の経過につれて、問題が生じない限り報道することは稀であることが、このような結果になっているのかもしれません。
 最近では、昨年11月にアメリカの連邦食品・医薬品局(FDA)が、トランス脂肪酸を相対的に多く含む部分水素添加油脂をGRAS(一般的に安全とみなされ、無制限に食品原材料として使用可能な成分)から外すことについて、一般の意見募集をしました。しかし、日本国内の報道は正確なものではなく、日本植物油協会会員企業にも多くのお問い合わせがありました。
 日本植物油協会は業界団体でありますので、医学に関する重要な問題にコメントすることは極力避けなければならないと考えていますが、食品安全委員会は、医学、栄養学などの見解に基づいて、人々の安全な食生活を守るうえで重要な情報を公開されています。同委員会のホームページをご訪問され、適確な情報を得ていただくことが大切だと考えています。

【 図9 食品安全委員会のトランス型脂肪酸情報の認知度 】

図9  食品安全委員会のトランス型脂肪酸情報の認知度
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