アメリカ中西部を襲う干ばつと大豆生産

2.大豆生産地を直撃した大干ばつ

 図1は、アメリカの大豆生産地を示しています。中部地域の北から南へ大豆生産地が広がっています。特に、色が濃くなっている地帯が主要生産地になります。そして図2が今年の干ばつの進行状況を示しています。

 8月31日に開催したアメリカの大豆関係者との定期会合で、アメリカ大豆協会理事のJoe Steiner氏は、この二つの図を示して、干ばつとその被害の様相について次のように語りました。

 「図2は、今年の干ばつがどのように進展したかを示している。アメリカの農産物生育地帯のほとんどすべてが、干ばつに直面している。特にひどいのは、大豆の主要産地であるミズーリー、カンサス、イリノイ、アイオワそしてインディアナの各州である」


【 図1 アメリカの大豆生産地帯 】

図1 シカゴ市場における大豆先物価格の推移
資料:アメリカ農務省


【 図2 アメリカ中西部の干ばつの状況 】

図2 アメリカ中西部の干ばつの状況
資料:図1に同じ

 図2の上段は昨年の干ばつ、下段が今年の干ばつの様相を示しており、色が濃いほど干ばつの状態が激しいことを意味しています。

 実はアメリカの中南部は昨年も干ばつ気味で、このため大豆の生産量が前年より減少しましたが、被害を受けた地域が大豆の主要生産地でなく、全体の生産量への影響が最小限に抑えられました。しかし今年の様相は、大干ばつと称する厳しいものとなりました。昨年の干ばつが局地的であったのに対し、今年は中西部一帯から北部にも広がり、特に中南部の干ばつが厳しい状態がお分かりいただけるでしょう。4月ごろまではそれほど厳しいものではなかったようですが、8月の図では一気に中西部一円に干ばつ状態が広がっていることが分かります。アメリカ農務省(USDA)の報告(8月13日時点)では「干ばつがアメリカ全土に広がり、被害はさらに拡大し、有効な雨が当分は期待できない」としていました。

 この図1と図2を重ね合わせると、アメリカ大豆の主要生産地を干ばつが直撃したことがお分かり頂けるでしょう。

 アメリカ中西部の大平原は、過去にも大小の干ばつに襲われていますが、今年のように大規模な干ばつは、1988年〜89年に次ぐものです。しかし規模や被害の大きさは1956〜57年の大干ばつに匹敵する、あるいは先に述べました1930年代のダスト・ボウルに匹敵する災害であると唱える識者もいます。今年の干ばつはまだ継続中であり、歴史の中でいったいどのようなものと位置付けられるのでしょうか。

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