植物油で冷凍食品をおいしく食べましょう!
3.冷凍食品“ミニ辞典”

(1)冷凍食品とは
 冷凍食品の定義をご存知でしょうか。
 冷凍食品は単に食品を冷凍するだけのものではなく、国際的な基準が作られています。
 ①前処理してあること、
 ②急速凍結してあること、
 ③包装してあること、
 ④品温が−18℃以下であること、
の四つの条件を満たしていなければなりません。だから包装されていない冷凍の魚・畜肉、アイスクリーム、ホームフリージングしたものなどは冷凍食品ではないのです。
 この四つの条件の中で、最も重要な特徴は急速凍結です。凍結する際、0℃〜−5℃は「最大氷結晶生成温度帯」と呼ばれ、この時間をいかに短縮するかが冷凍食品の品質を決定します。この時間が長いと、細胞内の水がゆっくり氷るため大きな結晶を作り、細胞を破壊し、解凍した際においしさや栄養が流れ出してしまいます。通常、食品の場合−30℃〜−40℃で一気に凍結することで細かな氷結晶となり、上手に解凍すれば凍結前の状態に戻すことが可能になります。次の図2でお分かりいただけるでしょうか。


【 図2 冷凍による細胞の変化 】

 図2 冷凍による細胞の変化

 また品温−18℃を保てば、細菌が全く活動できず、最も壊れやすい栄養素であるビタミンCが1年程度はほとんど減少しません。さらに温度を下げれば、より長い期間、品質や栄養を維持できますが、経済性を考慮して−18℃が基準とされ、家庭用冷凍庫でも−18℃以下に設定されています。ただ、家庭用冷凍庫では、ドアの開閉が頻繁なため温度変化が大きいので、2〜3カ月で食べ切るようにすることが重要です。
 我田引水で恐縮ですが、冷凍食品業界では冷凍食品を「最強の食品」と自負しています。その理由は、収穫・採取の季節的な変動が大きい農畜水産物やその加工品を腐らせることなく全て無駄なく使い切る技術として冷凍は最高のものであることです。加えて塩蔵、乾燥など他の保存技術と違って、とれたて・つくりたての状態を維持し、味、風味、栄養などがそのまま保たれるからです。

(2)冷凍食品の生産と消費の動き
 冷凍食品の国内生産量は、1969年に10万トン、1979年に50万トン、1990年に100万トン、1999年に150万トンを超え、ほぼ10年おきに節目の大台を超える飛躍的な増加を続けてきましたが、最近では横ばいとなっています。
 一方、冷凍食品の消費量は着実に増加を続けており、国内生産で供給できない分を冷凍野菜や調理冷凍食品の輸入の増加で補われています。輸入品が増加している背景には、冷凍野菜については国内原料の供給や価格が不安定なため海外依存が高まったことがあります。また調理品については手間のかかる惣菜などで豊富で安価な原料が調達でき、製造コストの安い中国、タイなどに生産拠点が構築されたことがあります。
 しかし輸入冷凍野菜の残留農薬問題がクローズアップされた2002年と、中国天洋食品(冷凍ギョーザによる薬物中毒)事件が表面化した2008年の直後は、いずれも2年ほど続けて冷凍食品全体の需要が大きく落ち込みました。特に中国天洋食品の事件は、中国の一企業の工場従業員による犯罪であることが明らかになりましたが、中国から輸入されるすべての冷凍食品の安全性に疑惑があるかのような過剰報道が行われ、日本の冷凍食品の信頼性まで問われる風評被害を蒙ったことは大変残念なことでした。それまで冷凍食品による品質・衛生上の事件・事故は皆無で、最も安全な食品と言われてきただけに、その衝撃は大変なものでした。冷凍食品業界では、事実関係のお知らせと、これまで以上に品質管理を徹底する努力を重ねてきました。その努力の結果、最近になってようやく需要が元の水準近くに回復したことを率直に喜んでいます。


【 図3 冷凍食品国内消費量の推移 】

 図3 冷凍食品国内消費量の推移
注:社団法人日本冷凍食品協会調べ

(3)商品類別にみた生産の動向
 農畜水産物の冷凍食品の国内生産は、長期的に見るとほとんど増加していませんが、フライ類やその他の調理食品の伸長が全体の生産量の増加を支えてきました。日本の調理冷凍食品の種類・生産量ともに、欧米諸国に比べて圧倒的に豊富で多いという特徴があります。
 また冷凍野菜の輸入量は着実に増加しています。輸入先では米国からはポテトやコーンが大半ですが、中国からはさといも、ほうれん草、枝豆など多種多様な品目が輸入されていることがご理解いただけるでしょう。
 フライ類の国内生産は、1996〜7年の45万トンをピークとして横ばいないし減少傾向に転じていますが、一方でその輸入量が大幅に増えており、フライ類の国内需要は依然として堅調なことがうかがえます。業務用のフライは、油ちょう(油で揚げる)されていない「凍結前未加熱」のものがほとんどです。これに対して家庭用ではレンジ用製品の大幅な増加に伴って、工場で油ちょう済みの「凍結前加熱済」の製品が多くなっています。
 単品ごとの国内生産をみると、長年にわたってコロッケが首位の座を占めています。またフライ類以外では、うどん、ピラフ・チャーハン類、菓子類などが長期的に増加しています。


【 図4 冷凍食品国内消費量の推移 】
 図4 品目類別冷凍食品の国内生産量の推移


【 表1 国内生産量上位20品目の推移  】

 表1 国内生産量上位20品目の推移


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