大豆油の供給が激減―植物油供給の構造的変化―
3.引き続き増加したパーム油の輸入

― オリーブ油輸入は4万トン超え ―

 輸入油を含めた国内の植物油総供給量は、前年より3.4%増加の254万トン強となりましたが、2008年と比較すれば7万トンの減少となりました。このことは、国内における植物油の需要が減少していることと、この2〜3年間に油の節約的な利用が進んでいることを反映したものと考えています。需要の減少は、人口の高齢化が着実に進んでいることによるものと見られ、これからも徐々に進んでいくことと見込まれます。

 油種を大別してみると、菜種油が最も多く供給される植物油であることは変わらず、2010年には100万トンを超えました。次いで多いのは熱帯油脂(パーム油、パーム核油及びやし油)で、2007年には大豆油を上回り、2010年には70万トンを超えて総供給量の28%(2000年では19%)を占め、我が国の植物油供給において大きい位置を占める存在になりました。


【 図4 油種別(大区分)に見た植物油の供給量 】

図4 油種別(大区分)に見た植物油の供給量
資料:農林水産省「油糧生産実績調査」、財務省「通関統計」
注 :1)国内生産量と輸入量を加えたもの。
2)熱帯油脂は、パーム油、パーム核油及びやし油の合計
3)2010年の輸入量は暫定値である。

 植物油の輸入量は、前年より3%増の88万トン強で、植物油総供給量の65%が輸入により供給されています。油種別には、大豆油と菜種油を除くすべての油が前年より増加しましたが、前年の輸入が減少した反動によるものが多く、パーム油、パーム核油、そしてオリーブ油が傾向的に増加を続けています。

 パーム油の輸入量は57万トンで、総輸入量の64%を占めました。大豆油や菜種油の国際価格が高騰する中で、これらに比べて相対的に割安感があったことが継続的の増加している主な要因と考えられますが、トランス脂肪酸を軽減するために、大豆油などの硬化油に置き換わって利用されることが多くなったことも要因の一つと見られます。ただ、このところパーム油の価格も上昇を続けており、最近のオイルワールド誌によると、ロッテルダム港におけるcif価格が大豆油の価格と同水準となっていますので、パーム油を利用する経済的優位性が薄れてきたかもしれません。今後の相対的な価格関係により、変動があるものと考えられます。

 オリーブ油の輸入は4万2千トンで、過去最高の輸入量となりました。オリーブ油ブーム再来の兆しがあります。オリーブ油増加の背景として、2009年に生じたグリシドール脂肪酸エステル問題にともなって特定保健用食品に対する信頼感が低下し、健康オイルとしてオリーブ油の需要が高まったとの説もありますが、その因果関係は定かではありません。このブームが、これからも継続するのかどうかは、今後の輸入動向によって判断しなければならないと考えます。


【 図5 植物油輸入量の推移 】

(単位:千トン)
図5 植物油輸入量の推移
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