新たな段階を迎えた植物油の国際需給
4.需給逼迫と価格高騰のなかで

 Thomas Mielke氏、Dorab Mistry氏の講演録に基づいて、最近における油糧種子と植物油の市場の状況をお伝えしてきました。ご両氏は、講演のなかでひまわり油やミールについても言及されましたが、ここでは省略しています。
 私ども日本の製油業界は、原材料のほぼ全量を海外の供給国に依存しておりますので、生産や価格形成も世界の動きと平行して動くことが必然的になっております。
 需給については、中国の隣国という地理的条件にあるため、供給国の考え方が巨大となった中国市場を第一義的に考慮するように変化してきました。また、価格形成や品質・規格の面でも日本のプレゼンスが低下してきたことは否めない事実です。
 私ども日本植物油協会に集う会員企業は、このような情勢変化へ柔軟に対応し植物油の安定供給に努めて参りますが、皆様には、ここに述べましたような事情につきましてもご理解を賜りますことをお願い申し上げます。

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