オリーブ油のお話し

4.世界の生産量は約300万トン

 オリーブは、温暖でやや乾燥気味の地域で生育します。乾燥地域のため地中広く根を張りめぐらせて巨木に成長し、数百年を経る巨木も珍しくはありません。太くなった幹は固く、木板の木目が美しいことからチーズのカッティング・ボードなどに利用されることがあります。

 主な産地は、地中海沿岸諸国に集中しています。それ以外の地域ではアルゼンチンが目立つ程度(年間約1万トンの生産)で、アメリカのカリフォルニア、オーストラリアなどでも産地が広がっていますが、数量的には大きいものではありません。日本では、瀬戸内海に浮かぶ小豆島が産地として知られていますが、生産量は統計に表すことができるような単位には至っていません。

 表1は、世界のオリーブ油の生産量を示しています。世界の生産量は約300万トンですが、過去2年間は最大の生産地であるスペインが干ばつに見舞われたことから生産が減少しました。今年はその打撃から回復し、300万トンの生産が確保される見込みです。世界の主な植物油の生産量は約1億3千万トンですから、オリーブ油はわずか2%を占めているに過ぎない存在です。その意味でも貴重な油であると言えるようです。

 主な産地は、スペイン、イタリア及びギリシャで、2006年にはこの3カ国で世界生産量の73%を占めました。



【 表1 世界のオリーブ油生産量 】
表1 世界のオリーブ油生産量
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