タイトル
 農林水産省、油糧輸出入協議会及び日本植物油協会とカナダの菜種関係者(政府及びカナダ菜種協会)が、共同開催している日加なたね協議は第29回を迎え、次の通り実施されました。

日 時 2005年12月13日(火)午前9時30分~午後5時20分
会 場 ロイヤルパーク・ホテル「有明の間」

 この会議では、カナダの菜種に関する包括的な議論がおこなわれました。特に、2005年産菜種の生産、需給、品質について次の報告がありました。



 2005年の生育条件の概要について、春は降水が多く過剰な土壌水分となったため、およそ200万エーカーが播種不可能となったが、そのほとんどがマニトバ州に集中した。他の地域では、被害を及ぼすような早期降霜もなかったが、収穫時に降雨が多かったため現時点でも未収穫のものがある。このことがなければ、ほぼ理想に近い天候の推移であった。

 収穫見込み量は前年を大幅に上回り、史上最高の932万トンに達すると見込まれている。(2005年12月7日 カナダ統計局発表では966万トン)


【 表1 2005年産菜種生産数量見込み (単位:千トン)】





 次に、2005/06年度のカナダ産菜種の需給について、2005/06年度期首(2004/05年度末)在庫は1,629千トン、生産量及び若干の輸入量を含めると、総供給量は8,444千トンになる(表2参照)。


【 表2 2005/06年度のカナダ産菜種需給見込み (単位:千トン)】




 本年のサンプル収集数は、2,112で、昨年の1,846より増加。サンプル数に占めるNo.1Grade の比率は87%で、昨年の62%、平年の84%を上回り、2005年産の菜種の品質が良好であることを示している。


【 NO.1 Gradeの品質は、次のとおり 】

油 分 平均44.4%で、昨年の43.3%を上回る。冷涼・湿潤の年には油分が高い傾向にあるが、本年産も同様の傾向であった。
蛋白分 油分が高ければ低くなる。本年は20.5%で、油分除去後では39.8%。
クロロフィル 昨年より低下、特にサスカッチェワン州で顕著に低下。また、含有量によるサンプル分布も本年は正常分布で、95%以上が30ppm未満であった(昨年は、68%)


 現実の輸出菜種の品質について、10月輸出のデーターでは、これらの傾向が顕著に出ている。水分は、収穫時期に降雨に見舞われたため高めとなっているが、時期を追って低下すると見込んでいる。

 以上の報告のとおり、2005年のカナダ産菜種は豊作で、良好な品質の菜種が安定して供給されることが期待できます。しかし、需要も強く、大豆価格との関連で、価格は必ずしも安くないのが現実です。

 私どもも、なたね油の供給にはご不安を与えることがないことに安心をしているところです。

PREVMENU