コレステロールが下がるマーガリン

 オーストラリア統計局の食品消費調査によると、バターの1人当たりの年間消費量は、1987-89(3年平均。以下同じ)には14.9Kgであったものが、その後徐々に減少し97-99は2.9Kgにまで減少しました。これとは逆に、マーガリンはバターに代替する形で87-89は9.0Kgまで増加しましたが、97-99には減少し6.4kgとなりました。

 Retail World社の調査では、2002年のマーガリンの売上高は29億豪ドル、このうち、コレステロール低減や減塩等のヘルシー製品の売上が好調で対前年度11.3%増の9.5億豪ドルと全体の32.8%を占めています。ヘルシー・マーガリンで最も注目を浴びている商品に、ユニリバー社の「フローラ・プロアクティブ」という商品があります。3年前から販売されたこの製品には植物性ステロール(Plant Sterols)が8%含まれ、3週間摂取すればコレステロールを10~15%低下させるとしています。この商品は250gで4.25豪ドルと通常の商品より2倍以上の価格にもかかわらず売れ行きは好調です。このヒットにより、ユニリバー社はマーガリンのヘルシー製品部門で最大のシェアを占めるようになりました。ライバル会社であるメドーリーフーズ社も、負けじと同じような製品の販売を開始しました。価格に比較的シビアであるとされるオーストラリア人ですが、価格よりヘルシーさを優先する価値観に向かいつつあるようです。

* 今回の海外植物油事情の記事は、日本貿易振興会(JETRO)シカゴ・センターの前島明成さん及びシドニー・センターの中澤克典さんから寄せられた情報に基づいて作成しています。
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