3.植物油使用量の変化と今後の使用意向

 さて、植物油使用量は2~3年前と比べてどう変わっているのでしょうか。「変わらない」人が4割、「増えた」「やや増えた」人は3割、「減った」「やや減った」人は3割で、「変わらない」人がもっとも多いものの、増えた人、減った人、変わらない人はほぼ3分の1ずつというところ。この傾向は2年前の調査結果とほぼ同じです(図5)。

 これを年代別に見てみましょう。「増えた」という人は年代が下がるにつれて多く、「減った」という人は50代・60代に多くなっています。50代と60代では50代で「減った」人が目立ち、60代では「変わらない」人が若い年代並みに見られます。50代で嗜好や食生活意識に大きな変化が起こり、60代になると落ち着きを見せるということでしょうか。


 では今後の使用意向はどうか、植物油の種類別に見てみました(図6)。「使用したくない植物油」との問いではどの植物油もスコアが低く、今後の使用に抵抗のあるものはほとんど見られません。「使用してみたい植物油」では「脂肪がつきにくいタイプの油」「コレステロールが気になる方向けの油」「使用量が半分で済むタイプの油」など、健康志向を強く訴えた新顔の植物油が上位にあがっています。これらの油は認知はまずまずながら使用経験がまだ低いことで(図1参照)、「使ってみたい」との興味が持たれているようです。

 この「健康志向油」の使用意向を少し掘り下げて見てみましょう。「健康志向油」を「あまり使いたくない」「まったく使うつもりはない」と否定する人は2割にとどまる一方、「油を使った料理にはすべて」と全面的に受容するという人も2割で、「一部の料理に」「食べる人によって」とこれまでの油と使い分けたいという人が大半を占めています(図7)。これを2年前の結果と比べると、「あまり使いたくない」「まったく使うつもりはない」は減り、その分「一部の料理に」という人が増えています。新しい機能を訴求した商品に興味は増しているものの、これまでの油とすべて置き換えたいというわけではなく、うまく使い分けをしていきたいということのようです。これを年代別に見ると、健康への関心の高い50代・60代と、油の使用が増えているとの実感の強い20代で、より積極的に使用したいという意向が示されています。


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