残された問題 -熱帯油脂―
 一つ残された問題は、パーム油など熱帯油脂とサッカーとのつながりです。熱帯油脂とは主にマレーシア、インドネシア、フィリピンなどで生産される、パーム油、やし油などやし科の植物から採取する油です。生産大国のマレーシア、インドネシアのことは既に述べましたが、これを消費面から見ると、やっぱりサッカーとの意外な関係が発見できます。熱帯油脂は大豆油に次ぐ生産量を誇り、世界中の国で食用はもとより、石鹸・洗剤などの化学品などに広く利用されています。もちろん、サッカー強豪国でも多くの熱帯油脂が利用されています。下の表Dをみてください。イギリス、ドイツ、イタリアでは熱帯油脂は2番目に消費量の多い植物油になっていますし、フランスでは第3位の油になっています。大豆油一辺倒に見えるブラジルでも、熱帯油脂は第2位の消費量になっています。そして、日本でも3番目に消費量の多い植物油なのです。

 種類にかかわらず、用途にあわせた植物油をうまく利用することがサッカー強豪国共通の特徴になっていると言えるのではないでしょうか。
表D 熱帯油脂を多く消費しているサッカー強豪国
国名
植物油消費ランキング
1  位 2  位 3  位
4  位
ブラジル 大豆油 熱帯油脂 コーン油 ひまわり油
イギリス なたね油 熱帯油脂 ひまわり油 大豆油
イタリア オリーブ油 熱帯油脂 大豆油 ひまわり油
ドイツ なたね油 熱帯油脂 大豆油 ひまわり油
フランス ひまわり油 なたね油 熱帯油脂 オリーブ油
日 本 なたね油 大豆油 熱帯油脂 こめ油
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