世界で最も多く生産される植物油は大豆油です。次にパーム油、なたね油、ひまわり油と続いています。これに、人気のオリーブ油を加えて世界の生産国ランキングを作りました（表Ａ）。 　これをみると、パーム油以外の植物油生産国には、ブラジル、アルゼンチンの南米勢、オランダ、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアのヨーロッパ勢とサッカー強豪国が目白押し！　そして、我が日本も、なたね油では堂々の世界第５位の生産国に名を連ねています。それでは、“植物油生産大国はサッカー強豪国”と言えるのでしょうか。 　残念ながら、パーム油がこの“法則”に当てはまりません。パーム油の大生産国であるマレーシア、インドネシアでは、共にサッカーはポピュラーなスポーツになっていますが、熱帯に位置する高温多湿の気候のなかでサッカーのような激しいスポーツの技術を向上させるのが難しいのかもしれません。 　しかし、「パーム油をはじめとした熱帯油脂は世界中で広く利用されている植物油」ですから、植物油の消費傾向の中に何かヒントがあるかもしれません。 表Ａ　主要植物油・油糧種子別生産ランキング‐2000年‐　（単位：千トン） 　 1 2 3 4 5 大豆油 アメリカ ブラジル アルゼンチン 中国 オランダ 　 8,240 4,271 3,285 3,264 788 なたね油 中国 ドイツ インド カナダ 日本 　 4,526 1,825 1,599 1,306 929 ひまわり油 ロシア アルゼンチン フランス スペイン トルコ 　 2,400 1,601 606 529 466 オリーブ油 スペイン ギリシャ イタリア トルコ シリア 　 936 410 330 180 165 パーム油 マレーシア インドネシア ナイジェリア コロンビア タイ 　 11,980 7,330 748 538 530 大　豆 アメリカ ブラジル アルゼンチン 中国 インド 　 75,379 36,800 25,700 15,100 4,800 なたね 中国 カナダ インド ドイツ フランス 　 11,400 7,119 3,750 3,585 3,572 ひまわり ロシア アルゼンチン フランス 中国 アメリカ 　 7,891 3,200 1,824 1,800 1,626